症例
80代女性 世田谷区在住
主訴
正坐ができない
現病歴
転倒により左大腿骨頸部骨折受傷し、入院。人工骨頭置換術実施。リハビリにより、杖歩行ができるようになり退院。しかし、左足全体に違和感が出てくるために正坐ができない。整形外科ではレントゲンにより両膝に変形があるから膝が原因ではないかと言われた。
評価
関節可動域:問題なし
立ち上がり・歩行:問題なし
正坐:不可(左足全体に違和感(+))
椅子の上で足首から先を座面に乗せずに正坐をしてもらったところ、違和感なく正坐可能。
→膝には問題はなく足首から先に原因があることが確定、足首から先の圧痛点を確認。
骨折の術創:胆経上
正坐での違和感:胆経中心
→足首から先でもまず胆経上の圧痛点を確認。
圧痛:足臨泣(+)丘墟(++;飛び上がるほどの圧痛)
治療
鍼灸治療:丘墟にパイオネックス(円皮鍼)を貼付。しばらくして再度正坐をしてもらったところ、違和感なく可能となったので、治療終了とした。
考察
整形外科での診断を鵜呑みにせず(変形性膝関節症)、鍼灸師的な観点から治療に当たった方が良かったケース。